烈情 皓月の目覚め/恋月の行方(岩本 薫)

2019年10月9日

烈情 皓月の目覚め (ビーボーイノベルズ)
岩本 薫
リブレ (2017-12-19)

烈情 恋月の行方 (ビーボーイノベルズ)
岩本 薫
リブレ (2018-03-02)

ボーイズラブ・レビュー


感想書きたい本は溜まっていく一方ですが、地道に更新していきます……。
BL漫画のレビューは毎週月曜日、コミスペさんで公開されていますのでよかったら覗いてみてくださいませ。

岩本さんのモフシリーズ、メインキャストが子供世代に移っているわけですが、双子の片割れだけが先に発情期を迎えて海外で妊娠出産に至るという状態で前回は終わっておりました。
双子なのにけっこう差があるものです。

オオカミと人間の2つの姿になれる彼らの一族は、そもそもレッドリストレベルの個体数の少なさで常に全滅の危機にさらされているような状態ですが、そういう危機的な状況を打開する策として、男の中から妊娠できる特殊な個体が現れることでその危機を脱しようとしております。
BL界の少子化対策は相変わらずぶっ飛んでおります。
早く人間にも装備されるといいですね……。

以下ネタバレ妄想注意!

紹介文です。

人狼の母・迅人と人間の父・賀門の間に生まれた双子の片割れ、希月は発情期が来たことで、飢えたような熱い衝動をもてあます。幼なじみで、男のみちるに邪な感情や欲望を抱くなんておかしいし、許されない。弟の峻仁のように、家族や一族の絆すら捨てて、つがいの相手のもとに走る…そんなふうになりたくない。そう思いながらも、本能で感じる甘い匂いに抗えず…!

発情期の熱に呑まれるように、幼なじみで男同士でありながら、みちるを抱き、濃厚に交わり合った人狼の希月。だが、ある事件をきっかけに、みちるは白い狼に変身してしまう。ごく普通の人間だったはずのみちるが、実は人狼だった!?驚愕する希月の前で、みちるは記憶も理性も失い、人狼の本能に衝き動かされて暴れる。さらに古来より人狼一族を護る御三家が、変身能力を制御できないみちるを危険分子として問題視する。「ぜったいに殺させたりしない…命に代えても、必ず護ってみせる。おまえは俺の、ただ一人のつがいだから」その想いに呼応するように、みちるは記憶を取り戻さないまま発情して希月を激しく求め…!人狼たちの、最高に危険なエロス、「発情」シリーズ!

ということで、双子の片割れ・希月のターンです。
峻仁は海を越えたラブロマンスでしたが、希月の相手は身近にいましたね。
幼馴染とくっつくパターンでした。

発情期がきた途端、幼馴染のにおいが甘く感じられるとか、そのにおいに耐え切れずに本能のまま、幼馴染と致してしまうという……よくあるパターンと言えばそうなのですが、なんとなく他の作品より背徳感が強い気がします。
しかも、まさかの、みちるが人狼だったという超展開。
数的には全滅待ったなしのくせに人口1億超える中でよく出会ったな君たち!!!!
まさにディスティニー。

しかも、ものすごく貴重なはずの仲間なのに、突然覚醒したせいで変身するしないを制御できないみちるは、同族を同族と認識する前に、その同族から殺されるかもしれない立場になってしまいます。
実はこの一族、個体数減ってる自覚ないやろ……。もっと危機感持とうよ……。

おかげで希月は、自分の親族からみちるを守る羽目になってしまいます。
ベーシックな幼馴染もののはずなのに、人狼ファンタジーなおかげで全体的にとってもスリリングな展開です。
記憶がぶっ飛んでるのにつがいは認識して、理性が抑えられた状態で発情したみちるちゃん、とってもエ口くて可愛かったです。肌色シーンも充実のシリーズなので、がっつり楽しみたい方に安心してお勧めできます。

この一族、このまま男ばっかりでくっつきつつ数を増やしていくのでしょうか。
峻仁なんか一気に3人産んでたしな……。さすが狼。
孫世代の恋模様まで見られるこのシリーズ、次の巻もとっても楽しみです。
そろそろ、着物が似合う和風美人でヤクザのドンで正体は白狼な彼のお話が!
読みたいです!!