墜ちたる星は幼王の誉れ 忠誠の騎士と予言の御子 / 君へ誓う永遠の愛(ゆきむら燎)
KADOKAWA (2019-04-01)
KADOKAWA (2019-05-01)
ボーイズラブ・レビュー
もうあと3か月で2019年が終わろうかという今日この頃、皆様いかがお過ごしでしょうか。
日々、仕事と育児に追われまくってアウトプットの時間が極限まで削られております。近頃、少し落ち着いてきたので夜にPCに向かうことにしました。無理やりにでも仕事じゃないアウトプットをする時間を作った方がいい気がしたんですよね……。気分転換にここ数日でブログのデザインを触ったりしていました。
色んなところがあちこち進化していて完全に浦島太郎の気分です。
さて異世界転生ファンタジーBLです。こちら異世界転生だけじゃなくて時空も超えちゃっていてダブルトリップとでもいいましょうか。設定がかなり複雑です。web発のずっしり2冊ぶんのファンタジー、堪能しつつ一気読みでした。正統派の主従ラブです。最高ですね!!
以下ネタバレ妄想注意!
紹介文です。
父は戦乱を終結させた異世界の王だと教えられて育った枢は、ある日、異世界で目覚め、騎士ルースに助けられる。だが母から聞いていた物語とは様子が違い、戦は終わっておらず、王国は滅亡寸前。そして父王はまだ子供だった。どうやら三十年ほど時を遡ってしまったらしい。歴史が変わることを危惧した枢は、両親が出会い己が生まれる未来、なにより愛するルースのために、救世の御子となって国を勝利に導く決意をする。ルースもまた枢を「命に代えて護る」と忠誠を誓うが――?
子供に、お父さんは異世界で大活躍した王様なのよと言い聞かせるお母さん、客観的に見て相当厨二病を拗らせたヤバイ人でしかないんですが、このお話に関しては事実でした。異世界物語を聞かされて育った息子は、話半分にしか聞いていなかったのですが、完全に他人事だと思っていたらある日まさかの異世界にトリップをする羽目になり、突然当事者に。もう気の毒としか言いようがありません。
しかも何やら聞いていた話と違って、落ちた先の世界では王さまの息子として歓迎されるどころか迫害を受けます。聞いていた立派な父親は影も形もなくて、まだ幼い子供でした。時間までさかのぼってしまっており枢は大混乱です。最初に見つけてくれた騎士ルースがいい人で本当によかったですね。彼が枢の運命の恋人です。
国を挙げて迫害されているので、枢は基本的な日常生活を塔に閉じ込められて過ごすことになりますが、枢の言葉で闘いに勝ち進んでいくに従って、迫害は和らいでいきます。国に残された予言を現実にすべく奮闘する枢が健気だし、全力で枢を守るルースがマジイケメン。これは惚れても仕方ないね……。というくらいもう、絵に描いたような騎士様です。
他にも同じ日本からトリップしてきて迫害を受けてきた仲間がいたりとキャラも多く、敵側のこともかなりしっかり描写があって世界観に厚みがあります。ラストにかけての伏線の回収具合・最後の落とし込み方には惚れぼれしました。ファンタジーに必須な山あり谷あり試練あり、ドキドキワクワクに萌えもてんこ盛りという素晴らしいボーイズラブでございました。
2冊一気に買うことをお勧めします。