はなれがたいけもの(八十庭たづ)
ボーイズラブ・レビュー
web発のファンタジーもふもふ子育てBLです!
私の萌えツボにドストライクーーーーっ!!!
という設定です。
webとファンタジーって相性がいいですよね……ページ数を気にせず設定もりもりに出来ますものね。そのせいで読みにくくなったり設定疲れするリスクはあるにせよ、ハマったときの嬉しさがたまりません。この作品はバシッとはまったやつです。
カップリングは、
敵国の獣人の王×貢物として差し出された人間の兵士
ということで、身分差+異種間恋愛も入っており、ついでにこの獣人一族は異種族の雄が相手でも子供を作ることが可能というミラクルスペックを持っています。なので、BL出産が苦手な方には地雷の可能性がありますのでそこはご注意くださいませ。
以下ネタバレ妄想注意!
紹介文です。
戦争中の、一度きりの出会いと別れで終わらせたはずの関係だったが、ディリヤのお腹には子供が宿っていた。王の子であることは秘密にして息子のアシュを一人で産み、育てていたディリヤの前に、ディリヤを探し求めていた雄が現れる!WEB発獣人BLの傑作!つがいの形。家族の形。
山あり谷ありのファンタジーらしく、最初の出会いは敵同士。
たった一晩で身体を重ね、その一度でお腹に子が宿り、人間のディリヤは獣人の子をひとりで産んで、獣人の国で育児を開始します。情を交わした異種族の王とは、その一度以来、会わないまま戦争中に亡くなったと聞かされます。
獣人として生まれた息子を不自由なく生活できるように育てるためだけに、ディリヤは人間には暮らしにくい獣人の国に居を構えます。ある時、ついに息子の出自がバレてしまい、王族から召喚されて王の城に連れていかれ、否応なくそこで暮らすことになってしまいますが、彼を長い間探し続けて呼び寄せた王の弟・ユドハは、ディリヤもその息子のアシュも一緒にとても大事に守ってくれます。
王族も一枚板ではなく、城内には権謀術数、権力争いが渦巻いていて、王の息子であるアシュとその生みの親であるディリヤは否応なくその中心に巻き込まれています。それでもディリヤは、アシュのために居心地がいいとは言いがたいお城にとどまり続け、一緒に暮らすユドハに少しずつ惹かれていきます。
とにかく。
とにかくアシュが可愛いです。
可愛いは正義とは良くいったもので、もちろんボーイズラブ作品なのでメインはユドハとディリヤの恋なのですが、八十庭たづさんのもふもふのお子様描写が感動的にうまくてですね……。もうたまらんのですよ。子育てBL好きな人で出産OKなら無条件にポチってもいいと思います。
肝心のユドハとディリヤも、紆余曲折はあったにせよお互いの本当の関係性が明らかになり、気持ち的にも両想いになって素敵にハッピーエンドです。ファンタジーならではの試練を乗り越えた末の大団円は、読んでいても爽快感が素晴らしいです。
彼らのいちゃラブ系番外編なら無限に摂取できる自信がございます。